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東方鍼灸院研修生の感想文

VOICE109(長期研修)/鍼灸師(熊本県・女性)

 私が鍼灸業界へ進むきっかけになったのは、目を患ったこと、そして吉川先生にお会いしたことに他なりません。約10年前、白内障と診断されて色々なことを試してきました。そんな中で「鍼」という選択肢が出てきた時、「初めて受ける鍼だからこそ間違いない鍼を受け たい。そうすれば、その後に どんな鍼を受けようとも自分に合わない鍼は分かるはずだ」と思い、眩しさで目が辛いにもかかわらず、必死に探しました。そこ でヒットしたのが吉川先生でした。後でお聞きすると、治療をお願いした日は、学会などでお忙しい合間の絶妙なタイミングだったとのこと。改めてご縁があっ たことに感謝するばかりです。

 先生の一鍼一鍼で身を持って変化を感じ、先生の技の素晴らしさに「凄いですね」と感動すると、先生は「そうなのよ、鍼は凄いのよ」と言われました。私は先生へ感動したのですが、先生は「鍼がなした技」のようにおっしゃいました。鍼灸界の大先生でいらっしゃるのに、こんなに気さくに低姿勢で話して下さって、 刺される鍼も優しくて。元々は私の目を治して頂きたくて訪れたはずが、すっかり先生に魅了されてしまいました。

 私は何の取柄もないのですが、一患者として接したのが鍼との出会いだったので、目の辛い方、見えない方の気持ちが少し分かります。この気持ちだけが私の誇れるところです。学校での勉強も決して得意ではなく、目が疲れやすい分、手や声、耳を使い、多くの時間を費やして覚えてきた不器用なタイプです。そのため 学生時代は、優先順位をつけて国家試験だけに絞って勉強してきました。これからが本当の勉強だと思っています。一人でも多くの患者さんの笑顔に出会うた め、努力し頑張ります。(2014年)